人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ŒUVRE POSTHUME ~遺作~

ブラン・フュメ・ド・プイィ・シレックス 2006 ディディエ・ダグノー
ŒUVRE POSTHUME ~遺作~_f0086960_19311073.jpg
BLANC FUME DE POUILLY SILEX 2006 DIDIER DAGUENEAU



2008年に無くなったディディエ・ダグノーさんが熟成まで通して関わった最後のミレジム。外観は、エメラルドを連想させるグリーンがかった発色の良いイエローカラー。トーンの高いフリンティーさをベースに、はちみつレモン、マルメロ、成熟したリースリングにも通じる桃っぽさ、朝露に濡れた若草、火打石を擦ったような極微かなスモークのヒントなど、甘やかでいて且つ爽やかな香り立ち。

例年と比べるとコアが若干緩く、タッチも穏やか。1996年や2016年みたいな当たり年からすると、旗艦ワインとしての果実の凝縮感や意識が引き付けられるような緊張感を併せ持つ、高次元のスケール感や表現力には至らず、ワインの完成度にやや物足りなさを感じてしまう部分があるかも知れません。

それでも、成熟を極めた葡萄だけが達し得るフレッシュさだけが突出しない香味の広がりや響き、ゆったりとした余裕や懐の深さ、そして余韻の伸び具合は紛れもなくグラン・ヴァンであり、時間と共に明確になって来る細やかなディテールやニュアンスの表現力に、そして鼻に抜ける風味の豊かさに、旗艦ワイン&作り手の矜持を感じ、心が揺さぶられちゃうんです!!

こういう質的な好き嫌いや量的な良し悪しの尺度だけでは測り切れない魅力というか、主観や客観を超えてワインに引き付けられ杯が進んでしまう求心力。そこにシビれる!あこがれるゥ!やっぱりダグノーさんのワインは最高だッ!!


# by thibert | 2026-01-31 08:00 | ヴァル・ド・ロワール | Comments(0)

CLOS DU BOURG ~教会所有の区画~

ヴーヴレイ・クロ・デュ・ブール・モワルー 1985 ユエ
CLOS DU BOURG ~教会所有の区画~_f0086960_11323053.jpg
VOUVRAY CLOS DU BOURG MOELLEUX 1985 DOMAINE HUET



外観は明るく発色の良い鮮やかなイエローゴールド。グラスに注がれたワインを見た瞬間に勝利を確信しちゃう系の奴。

グラスからは樹成りの完熟檸檬や花梨にグレープフルーツ、白い小さなお花、フレッシュハーブ、レモンピール、蜜柑の缶詰、微かな白桃のコンポートやパッションフルーツに薔薇のヒント…と、フルーティーでフローラルなのに、常に濡れた石灰岩をバックに意識させるトーンの高い香り立ち。

味わいも、石灰岩特有の冷たくテンションの効いた抑制的なミネラル感が溌剌とした酸味を伴って、成熟を極めた果実感を貫くように存在感を示します。バランスはドライ寄りで緊張感があり、収斂するような苦味を伴います。

ネットリとした質感&厚みのあるル・オー・リューとは対称的で、表土の薄い痩せた石灰岩土壌を連想させる厳格な味わいは、古くから教会が所有してきた歴史的にも重要な畑のワインであることが容易に想像出来るんだけど、成熟した果実感のお陰でストイックに偏り過ぎないのが嬉しい処。

ただ軽くスワリングするくらいでは埒が明かず、デカンタ(=空き瓶に移してシャカシャカ)+時間経過+レトロオルフェクションまでしてようやく苦味が解け、素朴且つ華やかな甘やかさと緊張感がバランスを成し、身体の力が抜けるような心地良さ+教会的な品位を併せ持つ、心躍る逸杯へと昇華されて行くのでした…。


# by thibert | 2026-01-24 09:00 | ヴァル・ド・ロワール | Comments(0)

LE DÉSERT DE SAINT-ANDELAIN ~シャトー・デュ・ノゼの畑から~

プイィ・フュメ・バロン・ド・エル 1985 ラドゥセット
LE DÉSERT DE SAINT-ANDELAIN ~シャトー・デュ・ノゼの畑から~_f0086960_11321754.jpg
POUILLY FUME BARON DE L 1985 DE LADOUCETTE



これは昔、サン・マロの城壁沿いのお土産屋さんちっくなお店で発掘したボトル。1988年のバロン・ド・エルもこちらで。外観はゴールドがかった明るく鮮やかなイエローカラー。時折チラリズムする発色の良いエメラルドグリーンが、同じ80年代のダグノーやコタやヴァタンのワインを思い出させ口元が緩んで2828しちゃう(*´艸`*)

香りの印象はフリンティー&ハーバルで冷涼感アリ。そこに朝露に濡れた白い小さなお花や野生のミントにグレープフルーツ、レモンピール、ハーブティーなどのフローラルさやフルーティーさが彩るイメージで、香り高くフィトンチッド効果も抜群!!味わいも香りのイメージ通りリーンでトーンが高く、40年もの熟成を経ながら依然として新緑のようなフレッシュさに翳りを感じさせません。樽不使用なのに、温度が上がってくると白系のフローラルさがヴァニラっぽくなるのが面白し。

成熟度&密度の高い蜜感を含んだ果実感が持ち味の1988年や1996年や2004年のバロン・ド・エルみたいな、垂直性と水平性がバランスした立体感に対し、この1985年は同じ西暦の末尾が5の年(1995年や2005年)に近いタイトで集中力のある酒躯と植物的な繊維のしなやかさを特徴とし、脳天へと抜けるような凛とした垂直性から、波紋のように繊細な果実感の水平性が横に広がるようなイメージを覚えます。

時間と共に果実の華やかさ、そしてソーヴィニヨン・ブランの果実のヴォリューム感&シャブリにも近いプイィ・フュメのパキパキのミネラル感がバランスだけでなく一体感を魅せ、後口まで清々しくエレガント。何処までも心地好い余韻を響かせるのでした。その心地好い飲み口に杯が進み過ぎてしまうのが悩ましい処。嗚呼、美味い!!


# by thibert | 2026-01-17 08:00 | ヴァル・ド・ロワール | Comments(0)

SAUVAGE INNOCENCE ~アンボネイの野性味~

シャンパーニュ・アンボネイ・ブリュット・ミレジム・グラン・クリュ 
1990 アンドレ・ボーフォール
SAUVAGE INNOCENCE ~アンボネイの野性味~_f0086960_11254146.jpg
CHAMPAGNE AMBONNAY BRUT MILLESIME GRAND CRU 1990
ANDRE BEAUFORT



外観は琥珀を帯びた輝きのあるオレンジゴールドカラー。摩り下ろした林檎から焼き林檎にコンポート、シードル、アップルティーといった蜜入りの赤林檎をメインに、カルヴァドスのオールドボトル、ジンジャーエール、シャンピニオン、ナッツなどの、酸化的なニュアンスを内包した酸味を意識させる甘やかで複雑な香り。

開けたてはやや酸味が強め。時間経過&温度上昇と共に徐々に練れた果実が厚みを増して蜜っぽさも加わり、アンボネイ+1990年らしい野性的で溌剌とした酸味&骨太な力強さを魅せるまでに。ボーフォールのブリュットって酸っぱくて酸化傾向が強くネガティブなイメージが先行し勝ちだったんだけど、ようやくポジティブなボトルに出会えました。1990年+ピノ・ノワールのポテンシャルに脱帽です!!

ただ美味しい不味いや良し悪しを超えて、シャンパーニュテラピーとでも呼びたくなるような癒しの波動を満喫するなら、やっぱりドゥーを選択するのがベストなのかも。もう一度1985年のドゥーが飲みたいッ!!


# by thibert | 2026-01-10 09:00 | シャンパーニュ | Comments(0)

LES URSULES ~自社畑の旗艦ワイン~

シャンパーニュ・レ・ズルジュル・ブラン・ド・ノワール 2012 
ローズ・ド・ジャンヌ(セドリック・ブシャール)
LES URSULES ~自社畑の旗艦ワイン~_f0086960_19150800.jpg
CHAMPAGNE LES URSULES BLANC DE NOIRS 2012 ROSE DE JEANNE



ケルビーニのフランチャコルタを飲んでイメージしたのは、アンセルム・セロス(@ジャック・セロス)のシャンパーニュではなく、デビュー当初(~2000年代)のセドリック・ブシャール(@ローズ・ド・ジャンヌ)の泡だったのでこちらをポンと!

外観は(ケルビーニのブラン・ド・ノワールみたいな赤みの強い色合いではなく、)輝きのあるゴールドカラー。香りは、成熟した切りたての赤林檎からアップルシャーベットに焼き林檎、カモミールやローズヒップにミントの薫るアップルティー、林檎系のオールドリキュール、嫌味の無い微かなバニラやリキュールに酵母のヒントなど、フルーティーなようで奥深い香気に( ̄ー ̄)ニヤリ

ヴァル・ヴィレーヌの親しみのある果実感とも、コート・ド・ベシャランの肉厚なフレッシュさとも異なる、優雅な果実感を彩る複雑さや奥深さに加え、成熟した葡萄ならではのコクとキレ、そしてコート・デ・バール特有の野性味と熟成による洗練味の相反する気質が融和した、威厳やバランス感が堪らんちん。これぞフラッグシップ、レ・ズルジュルの真骨頂ッ!!

デビュー初期~2008年頃までのワインからすると良くも悪くも落ち着いた感があるけど、熟成したローズ・ド・ジャンヌのシャンパーニュはいいぞ♡


# by thibert | 2025-12-27 13:00 | シャンパーニュ | Comments(0)


このブログにはワインへの思い入れによる過剰な表現、妄想がフンダンに盛り込まれています。お読みの際には充分ご注意を(笑)。


by thibert

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

検索

カテゴリ

全体
ジュヴレ・シャンベルタン
モレ・サン・ドニ
トルショー
シャンボール・ミュジニー
ヴォギュエ
ミュニエ
ヴージョ
ヴォーヌ・ロマネ
DRC
ニュイ・サン・ジョルジュ
コート・ド・ニュイ(その他)
コート・ド・ボーヌ(赤)
コート・ド・ボーヌ(白)
ブルゴーニュ(その他)
シャンパーニュ
クリュッグ
モエ・エ・シャンドン
ヴァル・ド・ロワール
ボルドー
コート・デュ・ローヌ(北)
コート・デュ・ローヌ(南)
アルザス
南仏&南西(ガスコーニュ)地方
ジュラ&サヴォワ
ドイツ
モーゼル・ザール・ルーヴァー
ラインガウ
イタリア、スペインほか
アメリカ大陸
オーストリア
オーストラリア&ニュージーランド
ルーシー・マルゴー
ジョージア、南アフリカ
日本のワイン
日本酒
その他の醸造酒&蒸留酒
農業劇場
醸造劇場
瓶内劇場
生産者劇場
歴史的&文化的背景
ワイン(その他)

しみづ
水谷
ラーメン
味噌ラーメン
豚骨ラーメン
家系ラーメン
煮干しラーメン
こってりラーメン
大島
仲間
トナリ
一条流がんこラーメン総本家
元祖一条流がんこ 西早稲田店
覆麺智+覆めん花木+中華そば半ざわ
麺屋 一燈
燈郎
つけ麺 一燈
煮干し中華そば 一燈
らすた
ひよし家
稲毛屋
而今を味わう会
蕎麦&うどん
斉とう
中清
和食
焼き鳥、肉系
中華
佳耀亭
エスニック
カフィア・ライム
カフェ、バー&レストラン
珈琲舎 古時計
カフェ・ド・ランブル
ごはん(その他)
パティスリー
ショコラティエ
和菓子
関西遠征2010
関西遠征2008
関西遠征2005
サン・セバスチャン2005
パリ2005
(非)←偽神アラディア
その他
未分類

最新の記事

ŒUVRE POSTHUME..
at 2026-01-31 08:00
CLOS DU BOURG ..
at 2026-01-24 09:00
LE DÉSERT DE S..
at 2026-01-17 08:00
SAUVAGE INNOCE..
at 2026-01-10 09:00
LES URSULES ~自..
at 2025-12-27 13:00

以前の記事

2026年 01月
2025年 12月
2025年 11月
2025年 10月
2025年 09月
2025年 08月
2025年 07月
2025年 06月
2025年 05月
2025年 04月
2025年 03月
2025年 02月
2025年 01月
2024年 12月
2024年 11月
2024年 10月
2024年 09月
2024年 08月
2024年 07月
2024年 06月
2024年 05月
2024年 04月
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月

最新のコメント

>hirozeauxさん..
by thibert at 21:36
最近、ヴァンクール輸入の..
by hirozeaux at 15:47
>hirozeauxさん..
by thibert at 13:47
ご無沙汰しております! ..
by hirozeaux at 16:56
蛇口伴蔵
by 大竹博吉 at 06:36
蔵前橋通り
by 蔵前橋通り at 06:36
hirozeauxさん、..
by thibert at 23:30
お久し鰤です!! ちょ..
by hirozeaux at 14:51
>hirozeauxさん..
by thibert at 23:11
あけましておめでとうござ..
by hirozeaux at 15:31

最新のトラックバック

リンク

記事ランキング

ブログジャンル

ワイン
お酒・お茶

Page Top